愛と正義は飛びまくり
「出たなミコリンナース」
「さっきからいますけど、何か?」
「ふっふっふ・・・思い出したぞ」
「何を?」
「認知の徘徊老人を保護したことあったやろ」
「あぁ、服装がちょっと変だなと思ったんで」
「ロックオンしたと」
「なんですかそれ」
「アレ?と思いつつ素通りする人がほとんどやろうに」
「実習で認知症の患者さんを看た経験がありますし」
「立ち止まることができないミコリンナース」
「お家どこか分かりますかって訊いたら」
「『わ、分からん』ってか」
「じゃあ一緒に交番行きましょうねって」
「でも2時間くらいかかったんやろ?」
「途中、自販機で何か買おうとされたりしたんで」
「金持っとったんかい」
「それが・・・ポケットから出したのがお薬で」
「その様子では初めてやないな」
「交番のお巡りさんもご存知でした」
「『やっ、爺さんまたか』って感じやな」
「捜索願も出てたようです」
「変身はせなんだか?」
「夜中に騒いだらウルサイやないですか」
「『はぁっ!』とは言わずに静かに飛ぶとか」
「なんで飛ばなあきませんのん」
「そうかぁ・・・やっぱりテーマミュージックが要るな」
「・・・いやな予感が・・・」
「ちょいと出ましたミコリンがぁ~あぁ~」
「だから、何で河内音頭になるんですかっ!」
「どや、変身したくなったやろ?」
「『出たよっ!』って…なりませんっ!」
「愛と正義のミコリンナース、夜中でも出る時は出る」
「お化けですか私は」
「昼間に出たこともあったやないか」
「なんの話ですか」
「交通事故の現場に飛び込んで救護したやろ」
「看護師ですから」
「救急救命士でもないのに」
「まだ到着してませんでしたし」
「『そんな勇気ない』って他のナースは言うとったで」
「????????????」
「飛んどるな」
「実は、飛んでもいないのに落ちちゃいましたよ」
「何に?」
「仮免に」
「珍しいやっちゃ」
「鉛筆と消しゴム持っていったらパソコンだったんですよ」
「パソコンくらい使えるやろ」
「パスワードとか知らないし」
「当日に気付くって・・・」
「生年月日だっていうから入れたら何度やってもエラーで」
「他の受験者は?」
「チャカチャカやってるんですよ」
「知らんかったんはミコリンだけかい」
「で、時間切れですわ」
「なぁ巫女凛」
「なんですか改まって」
「立ち止まれん性分は仕方ないとしてもや」
「はぁ」
「歩きながらでいいからちゃんと前を見とけよ」
「前方確認ですね?」
「私も仇名付けたことありますよ」
「話だけは飛ぶな」
「『仇名付けて』って言うから」
「・・・嫌な予感が・・・」
「なまはげって」
「な、なまはげぇっ!?」
「なまはげって可愛くないですか?」
「どこがやねん。ただのハゲやないぞ、生のハゲやど」
「悪い子はいねーかぁー」
「それのどこが可愛いんじゃ」
「『じゃあ私も付けて』って子がいたから・・・」
「今度はなんや」
「じゃあ『つくね!』」
「焼き鳥やないかい!」
「『それいいや』って言われちゃいましたよ」
「発想が飛び過ぎや」
「ところで岐阜の阜っていう字」
「飛びまくりやな」
「他に使うことあります?」
「あれは信長がやな・・・」
「ふ、フ、府・・・不二子ちゃ~ん!」
「飛び過ぎやっ!!」
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