長靴を履いた巫女
「あ、オッサンに報告があります」
「みなまで言うな巫女さん、国家試験に合格したのであろう」
「知ってたんですか?」
「ふっふっふ・・・放っておいた乱破より聞き及んでおるわ」
「ラッパ?トランペットとかですか?」
「ちゃうがな間者のことをそう呼んだんや」
「患者さんのラッパって正露丸ですかね」
「その患者とちゃう、忍者や!」
「え!公儀御庭番、伊賀組?甲賀組?さては風魔一族?」
「なんで急に詳しくなんねん」
「こう見えて勉強しましたから」
「仕事の合間も勉学に励んでおったそうじゃな」
「ウッ!」
「どや参ったか」
「アッ・・・」
「ん?どうした巫女さん」
「肩が・・・つって・・・」
「肩?足やなくてかい」
「イタタ・・・」
「正看護師が看護されてどーすんねん」
「三日前になったばっかりで・・・」
「知らんがな」
「ぶつけてないのにあちこち痣はできるし肩は攣るし」
「大丈夫です」
「ほななんでコルセットしとんねん」
「寄る年波には勝てませんわ、オッサン」
「せやなぁワシも・・・いやいや腰痛ないで」
「へ~」
「へ~やないがな長靴はいた巫女」
「それ、猫やなかったですかね?」
「猫は長靴はけへんやろう、見たことあるか?」
「ないですけどぉ・・・」
「ワシもないわ長靴はいた猫なんて」
「でも、確か絵本にあったような気が・・・」
「ああ、気のせいや」
「気のせいですか!?」
「その長靴も足がひび割れしとるからやろ」
「ん~まぁピキッてね」
「勉強は足りたが栄養は色々足りておらんようじゃの」
「そうですかね」
「これからが本番じゃ。精進するがよいぞ」
「お頭様みたいですね、オッサン」
「ふっふっふ・・・」
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