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2016年2月 6日 (土)

今的難題のルーツを探るヒストリーツアー

 
 

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眞鍋かをりさんのマジカルヒストリーツアー、
 
今回は「トルコ革命とパレスティナ分割」
 
「パレスティナといえば今でも紛争が絶えない地域だよね」
 
なのでその発端を知ろうという訳だ。
 
 
それは第一次大戦で敗戦国となったオスマン帝国領の再編成。
 
「『再編成』ってワードが気になる」という眞鍋さんだけど
 
まずはオスマン帝国の滅亡とトルコ革命。
 
ケマル・パシャ・・・とつい言ってしまうが、
 
これは軍人時代の呼称で「ケマル将軍」みたいな意味。
 
そこはNHKということで正確に
 
ムスタファ・ケマル・アタテュルクの登場である。
 
 
 
敗戦国のオスマン帝国、アラブ人の居住地域を
 
英仏に奪われるのはやむを得ないとして、
 
トルコ人の居住地域であるアナトリアまで
 
英仏伊にギリシャ、アルメニアにまで取られるってどーよ。
 
ギリシャは戦前までオスマン領。
 
ケマル自身もギリシャ生まれだ、
 
言ってみりゃ日本列島を五分割し、北海道はロシア、
 
沖縄は中国、九州は朝鮮領になるようなもの。
 
 
 
スルタンはへぇへぇそうでっかと受け入れ、
 
監督官としてケマルを派遣するのだが、
 
ケマルに従う意思はない。
 
アンカラに大国民議会を樹立。
 
パシャたちを糾合し
 
ギリシャ、アルメニアの軍勢を追い出すのである。
 
 
 
やるではないかと大英帝国は
 
再度の講和会議を招集するのだが、
 
アンカラ政府とスルタン政府の両方を呼ぼうとする。
 
既にスルタンとは決裂していたケマルは、
 
あのオッサンではあかんとスルタン制を廃止。
 
6百年続いたオスマン帝国を自らの手で滅ぼすのである。
 
 
 
スルタンは宗教指導者としてカリフでもあったのだが、
 
ケマルは当てにならないオッサンと一緒にカリフ制も廃止。
 
政教分離を導入してイスラム法も廃止、
 
一夫多妻は廃止するが改革は多妻、否、多彩。
 
アラビア文字を止めてアルファベットに
 
メートル法、太陽暦を採用と西欧化を進める。
 
 

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「トルコに行った時、文字はアルファベットだし

ヨーロッパ的な感じがしたのは

ケマルさんがやったことだったんだ」

 

ケマルは「成功した独裁者」などと言われるが、

実は複数政党制による多元的民主国家を目指していた、

とする好意的見方もある。

真偽は不明だが、思想家でも理論家でもないし

大酒呑みで敬虔なムスリムともいえないが、

だからこそ実利実益を優先した

柔軟な政策が打ち出せたともいえる。

 

アルメニアをけん制してソ連と同盟したり、

世界恐慌の打撃から立て直す為

計画経済を導入したりするがソ連の子分にはならない。

国民国家としての基本を維持しながら

殖産興業による上からの資本主義化を推進し、

近代国家としての礎を築いた。

評価される由縁であろう。

 

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さて、国民国家建設の流れを悪用したのが大英帝国。

ドイツはカリフでもあるオスマン帝国スルタンの権威を利用し、

インドのムスリムに騒乱を起こさせようと目論んでいたのだが、

イギリスはアラブ人にオスマン帝国への反乱を起こさせた。

 

メッカの太守、フサインとフサイン・マクマホン協定を結んで

アラブ国家建設を支援すると約束した、と見せて裏では

サイクス・ピコ協定により英仏露で分割するつもりでいた。

イギリスの工作員としてフサインの息子・ファイサルと

反乱軍に加わっていたのがアラビアのロレンスだ。

 

だが、革命ロシアが帝政時代の秘密外交文書を暴露。

サイクス・ピコ協定を知ったアラブ反乱軍は

なんやねんとなるのだが

だったらダマスカスを占領して臨時政府を作ってしまえ

と進軍開始、見事目的を達成するのだが・・・

民族より部族の利害が優先する部族社会の弊害で

臨時政府は空中分解となる。

 

結果、シリア、レバノンはフランスの

イラク、ヨルダン、パレスティナはイギリスの委任統治領となる。

 

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「オスマン帝国からは独立できたけど、

思惑が違っちゃったんだね」と眞鍋さん

「でもなんで独立を認めてあげなかったんだろ」

それがあーた、石油利権でんがな。

「その頃から始まってるんだ」

 

「じゃあパレスティナ問題も石油絡みで・・・」

いや、それがちゃいまんねん。イギリスの外交絡みで

「またイギリス?」

ろくなことしませんなぁ・・・とは言わなかったけど。

 

イギリス外相バルフォアが戦費調達の為ユダヤ大富豪、

ロスチャイルドと交わした約束が

バルフォア宣言として発表されると

ユダヤ教徒たちはイギリスが支援してくれるんだと

約束の地、カナンへの移住を始めたのだ。

それがパレスティナ。

 

第二次大戦後、アラブ人居住地域とユダヤ地域に分割されるが

イスラエルはこれを無視。

武力によってアラブ人を追い出しにかかる。

これが中東戦争だ。

 

旧約聖書ではモーゼの指揮でエジプトを出たイスラエルの民は

武力によってカナンに住む人々を皆殺しにして征服した

・・・ことになっている。

考古学的にはちょっと違うらしいが、今のイスラエルも

征服したのだと叫ぶオッサンを見たことがある(一人だけど)。

 

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「今パレスティナが抱える問題は当時のヨーロッパの外交が

きっかけを作ってしまったのかもしれないね」

 

きっかけは作ったが解決の糸口すら作れない。

目先の損得でつまらん約束をするもんじゃないね。

 

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