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2015年5月24日 (日)

避けてはいけない実のある議論

 

今週の「たかじんNOマネー」は老人問題、だったのだが、

特別区設置にかかる住民投票の話が冒頭にあり、

「取材した」という須田慎一郎さんが

老人が反対したから反対多数になったと言っていた。

母数不明の出口調査そのままでは絶対投票数が分からない。

なのでこの部分だけ先に一言。

 

人口比でいえば20~40台と60歳以上はほとんど同数。

若年層では賛成の比率が高かったとすると

投票率が同じなら賛成多数になったはずである。

そうならなかったのは若年層の投票率が低かったからだろう。

何で低かったのかは想像の世界だが、

投票日直前まで都構想を「分からない」と答えた人が

40%以上いたことと無関係ではなさそうである。

分からないものに迂闊に手は出せないし。

 

橋下さんの場合こういうことが多く、例えば中学校の給食。

今まで選択制だったものを全員喫食に変えたのだが、

選択制にとどまっていたのは

温かい給食を提供する設備が不十分だったから。

だったら早急に設備を整えろよって話だが、その場合、

A 当面は冷たい給食でもいいから直ちに全員喫食にする

B 同時進行では一度に金がかかるから、設備を優先する

C 選択制のままでゆく

大雑把に言えば三つの選択肢が考えられる。

どれがいいかは当事者である

中学生と父母に聞いてみなくてはなるまい。

 

ところが橋下さんは問題点を整理して解決案を提示しつつ

要望をくみ取り合意形成を目指すといった工程を全てすっ飛ばし

いきなりAを実行する。

だから冷蔵庫で冷やしたカレーなんか食えるかと苦情が出る。

Aが良いと橋下さんは思ったのだろうが

なんでそう思ったのかなんて他人の胸の内は分からない。

 

とこーそーも同じことで「二重行政の解消」と言われても

具体的にどんな問題があるのか分からない。

今さらバブル期の大型開発を持ちだされても

2000年以降はそんなのないし、若者にとっては昔話だ。

府立体育館と市立体育館の二つあると言われても、

どちらも利用率の高い施設だし、一つにされたら

来年からウチの大会はどこでやったらいいのかと

不安になる人もいるだろう。

 

協定書にはそこまで書いてないし、

細かい制度設計は市長と知事が決めるとなってるだけ。

中学の給食みたいに課題と問題点がはっきりしていれば

いくつかの解決策から選ぶことも出来るが、

解決すべき課題がはっきりしないのだから

「これしかない」と言われても説得力がないし、

何を解決したいのか分からなかったら代案もへったくれもない

制度を変えたら何で良くなるのかも不明だ。

積極的に賛成する人が三分の一しかいなかったとも読めるのは

分からないものには乗れない、

と思った人が多かったのではなかろうか。

 

民主主義の核心は採決に至る過程にある。

多数決が全てでも「戦争」でもない。

「大戦争だ」「ぶっ潰す」と叫んでおいて負けたら突然

ノーサイドとか異なる意見の尊重を言いだすが、

だったら自分もそうしておけば良かったのではないだろうか。

「戦争」などしなくてももっと分りやすく、したがって

いろんな案が出てきて

実のある議論が活発になったのではないだろうか。

それが厭だったと言われたらそれまでだが。

 

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政治経済Ⅱ」カテゴリの記事

コメント

選挙の途中で大阪の様子を見ていたら、自民党や民主党が大阪都構想に強く反対し始めた。自民党の本部はおそらく故意に「政府側は賛成、党側は反対」という区分けだったが、これは政治的な駆け引きで、あまり感心しない。

「無駄が多い」というのは税金を納める国民の方から見た現状認識であるが、その「無駄」というのは「税金を使う」ということだから、そこに必ず「利権を得ている人」がいる。今度の大阪の場合は、長い歴史の中で縁が切れない中間団体や直接受注している会社などだ。

彼らは改革が行われると今までの既得権益が奪われるので、反対する。だから、私も「大阪都の反対の理由が分からない」という質問を受けるし、70歳以上の年配者が「無料のパスをもらえなくなるのではないか」という理由で反対したということも小さいけれど、やはり「既得権益」の問題である。

この手の選挙では常に、「将来を見た政策」と、「既得権益をまもる戦い」の争いだが、今回は既得権益側が勝ったということで大阪の発展は望めないだろう。

しかし既得権益とはなんなのか? それは力のあるテレビ、新聞が報道すべきものであり、それが現在ではすでに力を失っていることに日本の将来の暗雲を感じる。二重行政だから無駄が多いといっても神奈川はあまりそのような声も聞こえず、私も20年近く横浜に住んで、実感はない。なにが具体的に問題なのか、マスコミはほとんど伝えない。

ここでのマスコミの問題は、「住民説明会に行かなければわからない」という人が多かったことでも分かるが、これだけ多いテレビ、新聞の報道は「橋下市長の性質」などのゴシップ的報道が続き、その結果、住民説明会という明治時代の方式に市民が頼らざるを得なかったのはおおきい。

また、民主主義はそれを構成する人が等しく選挙権や人権をもって運営する方法だから、選挙になれば青年も老人も同じ一票を持っている。でも、大阪都構想のように「大阪市の未来に大きな影響がある」という場合の投票は、「自分の人生ではなく、大阪市の未来をどうするか」で投票しなければならない。

その点では、「市から区制度への移行に600億円かかる」とか「今、もらっている無料パスがなくなるかも知れない」などを選挙行動の中に入れてはいけない。老人(老人は差別用語でも放送禁止用語でもありません。お年寄り、おじいさんなどと同じです)はあくまでも「自分の長い経験から大阪の子供たちはどういう自治体が望ましいか」が問題である。

その点、投票結果を見ると、老人の多くが反対をしているが、これは我が身を捨てて大阪の子供たちのために考えた結果ではないと思う。私がそのように推定する根拠は具体的な町の声などもそうだが、反対派が「老人票を得るために、現在の利得を説明した」ことによると思う。

もう一つ、民主主義は「一票でも多ければ決まる」というものではない。その内容によって「多くの人が賛成すること」を実施する場合もある。今回の場合は、一回目の選挙結果が僅差である場合、1年ぐらいの討論を経て、再度、投票するぐらいのことは必要だったと思う。

いろいろ考えなければならないことが多い大阪都構想だった。



投稿: A | 2015年5月25日 (月) 09:24

「大阪都構想」の本当の名前は「大阪市分割構想」だった。あえて本当のことを言わなかったのは政治的な配慮と考えられる。

民主主義下における「市」というのはどのぐらいの大きさが限界だろうか? 一人の市長が見通せる範囲だから、およそ50万人という感じと思う。もともと東京の杉並区というのは東京23区を分割するときに、杉並市になるのが良かった。市長、市議会の代わりに東京では区長、区議会があるが、市と同じである。

大阪は230万人で、横浜の360万人、名古屋の220万人とともに3つの200万超えの都市はいずれも「市長が選挙範囲をカバーできない」という市である。知事は広域行政と国の出先機関としての意味を持っているが、市は市民側にたった行政なので、大きさに限界がある。

これがダブルと大阪市と大阪府のように広域の高速道路なども利害が一致しないので、市が発展しない。今回の大阪都構想は、本来、民主主義下における自治体の大きさが本質だったのに、「東京都と肩を並べる大阪都」とか、「ダブりをなくす行政」などが前面に出て、日本の地方行政の大きな転換点を逃したことは残念だった。


投稿: B | 2015年5月25日 (月) 09:26

匿名でしたので仮にAさんとさせていただきますが、なるほど、神奈川県からはそう見えていましたか。
  
自民党大阪府連は柳本幹事長を中心に「都構想」には一貫して反対で「大大阪構想」を提唱しています。割れたのは中央で安倍-菅ラインが賛成、谷垣-二階ラインが反対というう構図でした。
  
福祉サービス削減の件は一貫して論議されてきた財源問題です。法定協議会では公明党の辻委員らが追及していたことですが、突然の動議で議論は打ち切りとなり、他会派委員を排除した維新のみで協定書が作られました。その協定書が財源問題をスルーしていたので突っ込まれた、というのが経緯です。
  
裁判にもなっていますが、橋下市長を支持することで利益を得る層もいます。まつりごと=政治とは利権の調整なのですからそれ自体は糾弾すべきことではありません。問題があるとしたら公平性でしょうか。健康な人なら誰でも老人になる訳で、老人福祉は若年層にとってもまさに「将来の自分」のことでしょう。
  
「都構想」は政策論ではなく制度論です。「大阪都」が実現しても行政がボンクラだったら「発展」などありません。
大阪を発展させる政策なら反対派の藤井聡教授も幾つも提示しています。教授はケインジアンなのでお手のものでしょう。
橋下さんは新古典派ブレーンを抱えた「民間に任せる」派。ならば大阪発展プロジェクトを公募すれば良かったのではないかと思います。課題が設定されれば案はいくらでも出てくるでしょうし、その過程で政府の協力が必要な部分、府市協力が必要なことなどが浮き彫りになるでしょう(ならないかもしれませんが)。
政策とリンクする形で提唱されたなら「都構想」も現実味を帯びたものと思われます。
  
大阪では橋下さんの見解をマスコミが報じないなどということは一切ありません。マスコミが報じないから住民説明会を開いたのでもありません。
  
ちなみに住民説明会は協定書の内容について説明するものと法に明記されており、政策論を語る場ではありません。橋下さんがそこで語っていたこともメディアを通じて耳にタコができるほど聞かされてきたことの繰り返しでした。

投稿: KenNagara | 2015年5月25日 (月) 14:11

同じ方かもしれませんが取り敢えずBさんとさせていただきます。
  
「一人で見れない」話はこれがまたさっぱり分からない謎なのです。橋下市長自身が「国会議員との兼務だってできる」とかつて明言していた訳ですし、市長日程の40%が「公務なし」の公休日だったりするのですから。

投稿: KenNagara | 2015年5月25日 (月) 14:24

このところの政界は、橋下さんの強力な政治的パワーに翻弄されてきながら、それぞれの都合の良いように、その力に期待してきたことも否定できません。
橋下さんという異色の政治家がいなくなるときに、与野党が、どんな絵を描いていけるのか、むしろ、そのことが問われているように思います。
橋下さんが投げかけた重要な問いは、いまの日本の自治制度、とりわけ大都市制度がこのままでいいのか、と言う問題です。
都構想は、大型公共施設やインフラ整備が府と市で同じような事業をしていて二重行政の無駄がある。
そこで、5つの特別区に再編してここで身近な住民サービスを担い、広域的な事業は全て府に移管するというものでした。いまの東京都と23区の関係にするということです。確かに、大阪に限らず、都道府県に近い権限を持つ政令指定都市は、都市計画やインフラ整備を行うことで二重行政に陥りやすいとして、これを効率化することが求められています。特別区にすれば、区長・議員も選挙で選ばれるため住民の意向をくみ取りやすくなり、身近な住民サービスを充実させることで、住民自治を広げることも可能です。
平成の大合併に見られるように、戦後、自治体の規模を大きくすることで、財政力を強化する動きが続いてきましたが、都構想は、これとは逆に、大都市を小さな自治体に分割することで、都市機能を高めようというものでした。選挙戦がヒートアップして橋下さんを支持するかどうかが焦点になり、いささか本質とずれた論戦になったことは残念ですが、人口減少と東京一極集中の弊害が言われる中で、大都市のあり方をめぐる議論は、むしろ今後必要性が増すのではないでしょうか。
今回の住民投票は、地方自治と民主主義を考える上でも大きな意味があったことを指摘しておきたいと思います。自治体のかたちを、住民自身が選択するという初めての投票が実施されたこと。
それは、自分たちの住む地域の課題は、自分たちで考えて決めるという意味があります。都構想のような複雑な行政機構の問題を、○か×か、という二者択一で決めることの危うさはありますが、それでも最後は、一番の当事者である住民の選択に委ねるというのは、民主主義の基本です。
安倍政権の現状を見ますと、原発再稼動や沖縄の基地問題といった地域住民に大きな影響を与える政治課題でも、関係住民の意思を直接確認するという姿勢に乏しいようにも見えます。
選挙で選ばれた国会議員、時の政権が責任を持つということですが、しかし、場合によっては、投票で直接住民の声を聞くことがあってもいいのではないでしょうか。
憲法改正の国民投票が現実の政治課題となっているなか、この民主主義の原則を思い起こさせたこと、これも今回の住民投票の重い問いかけだったように思います。
 

投稿: | 2015年5月25日 (月) 19:14

記事中にも書きましたように「大型公共投資」は前の前のそのまた前の市長の時代までのことで21世紀の話ではありませんね。
そして、組織をどういじろうがやることは一緒なのですから、どこかで役割分担しなければなりません。
  
分割すると市の一部局が必要に応じて各行政区に人員と予算を送り込むことができなくなりますから、人員と予算が五重にダブることになります。しかも政令市が持っていた独自財源はなくなるのですから、それが都市機能を高めることになるのかはシミュレーションが必要でしょう。
正直申し上げて抽象的な理想論を語る段階はとうに終わっていると考えます。
  
これも記事中に書いたことですが、住民の意見は採決の前の段階で十分にくみ取り、合意形成を目指すべきで、それが民主主義の根幹だと考えます。
橋下さんは何事もトップダウンで二者択一を迫るばかり。住民の意見を汲み上げる行程を無視する点、民主主義の視点では疑問が残ります。
  
だからこそ、橋下さんが改憲への全面協力を約束し、今回の住民投票を改憲国民投票のテストケースとしていたことに危険臭を感じた人が少なくないのでしょう。改憲反対派はほぼ協定書にも反対でしたから。
しかしまぁ膨大な量の新聞折込チラシとTVCMで、どんだけ金があるんだっていう物量作戦でしたしね、維新は。それでも勝てなかったという点では、確かに民主主義のリトマス試験紙だったかもしれません。

投稿: KenNagara | 2015年5月26日 (火) 00:08

記者会見では、どちらが勝者か分からなかった、堂々としていたのは、橋下氏、うつむき気味は柳本氏でした、4党を敵に回し、約過半数獲得したのだからこれからは脅威だろうね、勝ったのは維新だろうね、赤色おじちゃん。

投稿: manabe-fan | 2015年5月26日 (火) 11:12

確かに人格の違いが出ましたね。ママチャリにハンドマイク載せて走り回っていた柳本さんと千人と言われる全国動員をかけ、揃いのTシャツ着せてターミナルを占拠させた橋下さん。でも赤色とは知りませなんだ。
事実と道理に基づく議論が出来ないなら来なさんな。
  
フジサンケイグループの世論調査をそのまま書き込んでる人がいましたが、投票結果が変わる訳じゃなし意味が分からないので再掲しません。
記者章に維新のワッペンを貼り付けてるメディアがあったことは確認していますが、検証作業はこれからです。

投稿: KenNagara | 2015年5月26日 (火) 14:51

あなたの自己弁護持論が粉砕されたので載せないの?

フジサンケイグループの世論調査をそのまま書き込んでる人がいましたが、投票結果が変わる訳じゃなし意味が分からないので再掲しません。

投稿: | 2015年5月27日 (水) 15:38

は?私は「自己弁護」などしていませんし「粉砕」もされていませんけど?世論調査の結果なら当該ニュースサイトを参照すればいい話で当ブログのコメ欄に載せる意味はないと言っているだけです。
  

おっしゃってることがアレ過ぎるので、これ以上お相手できませんのであしからず。

投稿: KenNagara | 2015年5月27日 (水) 16:38

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