う~む、お、重い ・ ・ ・
重きに泣きて三歩進めず(ちょっと違う)
って感じだった「たかじんNOマネー」今回は
裁判員制度の見直し時期が来ているということで
出演者全員裁判員となっての裁判員トレーニング。

何が重いってあ~た、例題が実際にあった案件なのだ。
「テレビでこんなに切羽詰まったことなかった」と水道橋博士さん
眞鍋かをりさんも思わず目を伏せ首を振るシーンが。
とはいえ402人に1人の確率で裁判員に指名される。
「オーディション的なもの」(眞鍋さん)はない。
皆さん、緊張の面持ちで ・ ・ ・ んが?
ふと隣のゲスト、鳩山邦夫元法相を見た眞鍋さん

「鳩山さん、それ裏です」
「(表でないと)消せなくなっちゃうので」
「マネー」は使い捨てフリップではなく、
書いては消すホワイトボードシステムなのだ。
この番組では不思議なほど素直な鳩山さん、ズッコケ。
ちょっと和んだところで例題その一は福岡の酔っ払い暴走事件。
追突された車が海に落ち、幼児三人が救出及ばす犠牲となった。
逃げた男、車が故障して動かなくなると現場に戻ったが、
水をがぶ飲みして飲酒ごまかし工作。
飲酒のせいで事故ったのではないと言い張った。
不届き千番、市中引き廻しの上、打ち首獄門っ!
「最高で懲役25年です」(眞鍋さん)
うっ、上限があるのか
ってことで皆さん上限いっぱいの25年。
本音ではそれでもまだ足りないの声。
しかし一審は7年6月、高裁で20年、最高裁で控訴棄却。

「一審の裁判官は何を思って7年6月にしたんですか」
眞鍋さん、当然の疑問に八代英輝・国際弁護士元裁判官
危険運転致死傷罪の認定要件が難しいので、
上級審で覆されたらカッコ悪いし止めといたってことらしい。
上級審はいずれも同罪を認めた訳だが
「どう、僕バランス取ったでしょみたいな感じ、
ちょっとはあるんですか?」
っていう眞鍋さんに八代さん
「一審判決を上級審が認めたことになる」
一審判決より軽くなったら覆ったことになり、
重くなったら認めたことになるってどういう論理だが
皆さん、当方と同様に理解し難い様子だった。

なんといっても重かったのは苫小牧の幼児置き去り致死事件。
被告は16歳で働きはじめ、19歳で離婚した母子家庭の母。
育児に疲れ施錠した自宅に我が子を一ヵ月放置し、
一歳の弟は餓死、生き延びた三歳児は「ママ遅いよ」
と犯人である母に寄ってきたというやるせない事件。
元法相は死刑、眞鍋さんは無期と厳しい。
当方、この事件はよく覚えているが、
自分が裁判員だったなら8~12年の間で考える。
この未熟な母親にどこまで責任を問うことができるのか、
社会システムに欠陥があるのではないかと思うからだ。
被告は市役所にも相談に行っている。
市役所が直接助けることができないとしたら、
助けになりそうな施設や市民団体を紹介するとか
なんかできなかったのか。
母子を救出する社会システムが機能していなかった。
事件が起こってしまってから児童養護施設に引き取られる
ってのは本末転倒ではないか。
困窮している家庭は他にもあるってのは理由にならん
それを言うなら大事故を起こした長距離バスだって、
他の会社も厳しい労働条件でやってる
でも事故を起こしていないではないか
なんて言ったら許認可権限を持つ行政の責任逃れになる。
人が死んでからでは遅いのだ。
憲法は健康で文化的な最低限の生活を保障しているのであり、
貧困に起因する犯罪は本来、あってはならない。
ここでの自己責任論は国家義務の放棄ではないかと思う。
とまぁ正義の鉄拳を振り上げてみたものの、現実には
助言に耳を貸さなかったり助力を拒否する人もいたりして、
理屈通りにはいかんのである。
親の意思とは無関係に子供を虐待から救うシステムも
強化されないとどうにもならん気がする。
ちなみに実際の判決は懲役15年だった。

「苦しいですね」と眞鍋さん。
「裁判員に同じ年頃の子どもを持つお母さんとかいたら」
「トラウマになりますよ」と言葉を続けた水道橋さん。
最後の例題など実は借金まみれだったとはいえ
貧困が原因ではないセレブ夫婦の夫バラバラ殺人事件。
原因は夫のDV。
PTSDで心神喪失状態にあったというのだが、
証拠隠滅は計画的。
保護施設に避難していたこともあるというから
DVから脱出する手段を知らなかった訳ではない。
「理解できない部分が多い」と眞鍋さん。
実際、夫は離婚を拒否していたというけど
お互い様のW不倫中だったというから、
いくら推理を働かせてみたところで推測の範囲を出ない。
心神喪失状態の認定をどう反映させるかに絞るしかない。

「マネー」法廷は懲役12年だったが実際の法廷も15年。
「他の手段があった」とする国際弁護士がズバリ賞。
しかし正解しても嬉しくないの声。
「モヤモヤが残りますね」と眞鍋さん。
制度自体も「見直しが必要になってくるでしょうね」。
「不届き千番!」って単純に叫べる裁判でないと
正直、やりたくないなぁ。