その時、キャパの手は震えていなかった
その時、キャパの手は震えていた ・ ・ ・ は事実ではない。
なんて言ったら、「知ってるよ」「編集部の創作だろ」
とか、ごもっともな声が沸き起こるだろうけど
一応、念の為。
先ほど観た「ベストハウス123」で、
渡辺陽一氏をプレゼンターに古今の戦場写真が紹介された。
渡辺氏自身の作品も含めて、
真実に目を向けることの大切さ、
報道写真の意義と力を再確認させるものだった。
当然、登場するのはロバート・キャパ。
カルティエ・ブレッソンやエルンスト・ハースは知らなくても
その名を知らぬものはないマグナムフォトスのスーパ-スターだ。
やはり紹介されたDディの写真。
現像したスタッフが間違えて熱し過ぎ、
エマルジョンを溶かしてしまったアレ。
だが、既にキャパの名は知れ渡っていたので、
その失敗を逆手に取り、
「その時、キャパの手は震えていた」
とのキャプションで掲載されたのだ。
それが作品の衝撃度を高め、歴史に残したのだから
まさにナイスフォローである。
番組にクレームをつける意図は一切ないが、
「震えていた」への注釈がなかったので一言。
マスコミ、報道機関も世代交代が進むと、
意外な常識が忘れ去られることもあるのかもしれない。
そんな気がしたから。
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