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2009年6月21日 (日)

視聴者目線で脈絡を整理~水際立った眞鍋さんの討論

NHKの環境問題シリーズに再度登場の眞鍋さん。

水際立った議論の組み立てで、

まるで裏司会者のような活躍だった。

 

今回のSAVE THE FUTURE、課題は

低炭素社会を目指す政府の政策。

2020年までに

二酸化炭素排出量を15%削減しようというアレだ。

 

「温暖化防止で仕事や暮らしを変えられるか」

この質問に眞鍋さんの答は「NO」。

「お金もかかるし、社会がそういうことをしやすいように

なっていないから今のままでは難しい」

 

壁に断熱材を入れ、太陽光パネルを設置、

家電も車もエコ製品に替えれば500万円の出費。

不景気なのにこれでは無理も当然。

 

しかし、家屋の補修、家電、車の買い替えも光熱費も、

現状のままでも必ずお金がかかるもの。

500万円の純増ではない。

プラマイの問題だ。

 

当然、肯定派は長期的視点で語る。

否定派はその初期投資すらできない苦しい現状を訴える。

「太陽光発電で元を取るのに20年もかかるんですよ」

庶民派眞鍋さんは持たざるものの立場を支持。

 

でも、生産が増えることによってコストが大幅に下がること、

「家庭だけでなく、企業の積極的取り組みを進めるべき」

などを指摘する金子勝教授の発言。

さらに斉藤鉄夫環境大臣も、

今はお金を持っている人の投資でコストを下げ、

将来的負担減に導きたい旨の発言。

 

それらの中に「今のまま」ではない要素を発見した眞鍋さん、

「リサイクル商品も省エネ商品に生まれ変わるんですか?」

「太陽光(発電)がもっと安く、もっとたくさん電気が作れる

そうなる見通しはあるんですか?」

お隣の大臣にどんどん疑問をぶつけていった。

大臣の答はいずれも○。

 

だが、問題はそれだけではない。

失業者が増えるという予測もあるのだ。

エコ産業が新たな雇用を生む派と否定派に分かれる。

「失業者の試算はあって新規雇用の試算はないんですか?」

核心にズバリ切り込む眞鍋さん。

 

大臣は新たな環境分野の雇用を140万人増やすとし、

11~19万人の失業者は

産業構造が変わらない前提の試算と指摘した。

 

70年代の長期不況の時、

現在の中国に似た低賃金加工貿易主義から

知識集約型産業への転換を進め、

今日の技術立国の礎を築いた。

それと似たことをやろうという訳だ。

 

数字は元の計算式が変わらないと質的変化が反映されない。

経済は単純な計算式で割り切れるものではない。

生き物なのだ。

 

だが、誰がどれだけ負担をするかの問題は残る。

「構造改革の失敗を総括できていない」

金子教授が指摘するように

弱者切り捨て強者育成への恐怖感が拭いきれない。

「金持ち優遇税制のもとでの公平負担は欺瞞」

と厳しい声も。

 

これらは環境大臣一人で答弁しきれるものではなく、

世界を睨んでの日本の経済、産業政策全般にわたる問題。

到底、番組の中で解決しきれるものではなかったが、

課題は明らかになった。

 

「今のまま」ではないことは確認した眞鍋さん

課題を踏まえ、番組最後の発言者として口を開く。

 

「どれだけダメージを減らせるか、どれだけ効率よく替えられるか

(などの課題)を解決してもらえるなら協力する準備はあります」

一つひとつの課題にまで触れる時間はなかったけど、

より具体的な政策(たたき台)を求めた。

まさに、番組の締めくくりにふさわしい見事な総括だった。

 

最初から最後まで同じことを言ってる発言者が多い中、

積極的に前向きな解決の糸口を探そうとする眞鍋さん。

それだけで2時間番組ができそうな課題が短時間に入り乱れ、

かなり錯綜した内容にはなったものの、

眞鍋さんの発言を中心に見直すと、

脈絡が鮮やかに浮かび上がってくる。

眞鍋さんが、様々な発言を同時進行的に整理、

頭の中で分析しながら発言していた証。

司会のオッサンより分かっていたのかも

 ・ ・ ・ なんて思ってしまう。

 

眞鍋さんの知的能力の高さには改めて感服。

そして、それを誰にでも分かる言葉に噛み砕いて発言する力には

さらにさらに驚嘆した。 

 

 

予断だが、斉藤環境大臣、ホントに大臣?

悪い意味ではなくイイ意味での話。

大臣といえば官僚の作文を棒読み、

自分で書いてないので漢字が読めなかったりする。

官僚の助けを借りずに淀みなくこなす大臣はとても珍しい。

麻生内閣にもこーゆー大臣、いたんだね。

 

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コメント

テレビの内容とは違うかも知れませんが、
核融合発電なんかに期待してましたが、
ネットで調べると、技術的にかなり困難みたいですね。

投稿: まめタン | 2009年6月21日 (日) 18:22

原爆のエネルギーを使った水爆しか成功した核融合がない・・・と言う事は原爆に替わるクリーンな何かを探さないと・・・そう考えると難しそうですね。

投稿: KenNagara | 2009年6月21日 (日) 19:29

 番組を後半から見ました。

 数年前のサイエンスゼロの初回に好奇心で科学に触れてみるという話題があがりましたが、

 太陽光発電またはそれを支援するための電気料金の値上げに対して国民1人1人が
 お金が無いから絶対反対ではなくて、

 理系文系関係なく、好奇心をもってこの問題に触れてみることが必要かなと思いました。

 最終的に太陽光発言を導入する理由として、

 自分は県内一エコに参加しているんだという自慢でも
 宇宙からみたまだ綺麗な地球のためでも、
 自分が損得勘定をしてみて得だからでも、

  どの段階で導入するかは個々人が最適!と思ったときに行えばいいかなと。


  国民は関心を持つ。メディアは関心を持たせる。
 そして大臣が洗練した政策を立てる。

 それぞれがやる役割をまっとうすれば、今度こそ数値目標をクリアできるかもしれません。

投稿: firstheart | 2009年6月21日 (日) 22:59

個人は社会的合法則性から自立できないので、財力のあるなしに関わらない公平な経済合理性を政策的に保障しうるか否かが政治の課題かと思います・・・・眞鍋さんのような分かりやすい言葉ではどうしても表現できません。能力の差を感じます。

投稿: KenNagara | 2009年6月22日 (月) 00:26

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