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2009年4月12日 (日)

投げやりな投槍

「テラコヤ」で眞鍋さんが歴女ぶりを発揮していたので、

便乗ついでにもう一筆。

 

テレビのフレームを考えればやむを得ないとは百も知りながら、

それでも気になってしまうのが時代劇の槍の長さ。

武士が使う手槍は通常長さ3メートル(穂先含む)。

戦国時代には、

足軽に6~8メートルの長柄槍を持たせるのが流行った。

 

そんな長さを画面に収めようとしたら役者が小さくなってしまうし、

どうせ画面からはみ出すなら短くてもよかろう

 ・ ・ ・ という事情は良く分かる。

だが、高視聴率の「天地人」。

足軽が持ってる槍は人の背丈に毛が生えた程度。

 

あれでは投槍ではないか。

 

エキストラの皆さんに短い槍を持たせるから、

合戦シーンでも「わぁ~」などと走らせてしまう。

6メートル以上の槍を構えて走るのは、

棒高跳びの助走で中距離走やるようなもの。

しんどい、と言う以上に意味がない。

 

長い槍を持たせたという事は、

緊密な隊列を組んで合戦に臨んだと考えるのが合理的。

正方形の隊列(ファランクス)を組めば、

全員が一斉にその場で向きを変えるだけで、

隊列全体を前後左右に動かすことが出来る。

 

古代ギリシャで生まれたファランクスはローマ帝国に引き継がれ、

日本が戦国で騒いでいる頃のヨーロッパでも、

スイス人傭兵のファランクスが大流行だった。

タイマン勝負に長柄槍なんて役に立たない。

列からはぐれたら、槍なんか棄てて全速力で逃げるのが賢明。

 

そう考えたら、火縄銃が注目された訳も分かる。

隊列を崩すのに効果的だと思ったのだろう。

 

弓矢は武士のたしなみなので、足軽の弓兵などいないはず。

射程距離、命中精度、連射速度、

いずれでも長弓は火縄銃に勝るが、それは名人が放っての話。

召集した百姓を鍛えて弓名人にするなんて

時間がかかり過ぎて非現実的だ。

 

その点、火縄銃は短い訓練期間でものになる。

その代わり、いくら練習しても命中精度は上がらない。

撃つ度に球形弾の回転が変わるので、

カーブしたりシュートしたり、予想がつかない。

(ナポレオン時代のある統計では命中率2%)

だがそれも代役が利いて都合良いと言うものだ。

 

ついでに言えば、

騎馬武者が近世の騎兵隊のように集団で活動することもない。

馬上の武者には弓取りや太刀持ち(土俵入りはこの名残)、

さらに馬の口取りや旗持ち等5~10人の徒歩の者がつく。

基本、家単位なので家長だけが走り出す訳には行かない。

 

とは言え、忠実にやったらさぞかし面白くないだろう。

「戦国時代にサラブレッドはいなかった!」

などとわめいてもはじまらないのだ。

 

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