「仁愛」の人・眞鍋さん、火坂氏と兼続を語る
「地元の英雄が知りたくなって調べたけど、よく分かりませんでした」と語る眞鍋さん(「ココだけで教えて」、『週刊ポスト』1.16/23)。
良いことではないか。
戦のない平和な国には英雄など必要ないのだ。
と言うことで、
今回の対談、お相手は「天地人」原作者の火坂雅志さんだ。
大河ドラマ「天地人」の主人公、直江兼続が英雄かどうかは
よく分からない。
私だけかもしれないが、直江景綱とどっちがどっちだったか、
分からなくなることが多い。
徳川がお手本とした武田家臣団のような合議制ではなく、
謙信のカリスマ性が強烈なだけに、
家臣が脚光を浴びる割合も少ない。
弱肉強食の戦国乱世に
大真面目に「無欲」と「義」を押し立てて
しかも本気で実行した謙信と言う変な男の前では、
甥の景勝でさえ、かすんでしまう。
「欲」を掻き立てる凋落で内部崩壊を企む謀略は、
信玄もずっと仕掛け続けたし、謀反も絶えなかったが、
結局、全体としての結束は崩れることがなかった。
何故か?
「人を裏切らない、信義に生きる、そして公のために何ができるのか。そういうことを実践したのが直江兼続なんですね」と火坂氏。
ナルホド。
そして、「『義』からさらに『仁愛』と言う考えに至るんです」
弱いものをかばう思いやりこそ上に立つものの役目。
真っ先に切り捨て、
寮から追い出して路頭に迷わせたりしてはいけないのである。
確かに、現代的テーマである。
弱いといっても、
派遣社員もこれだけ増えると、結束すれば大きな力になる。
民主主義社会だから、
一揆や打ちこわし以外の手で反撃に出る可能性も高い。
そう言えば、謙信以後の上杉家、
豊臣に「義」を通して家康に逆らい減封されたりするが、
家臣団のリストラはしなかった。
みんなで苦労を分かち合う。
そしてその結果、明治の世まで存続する。
さて、「戦士の資格」でサラリーマン社会を知った眞鍋さん、
「サラリーマンの世界にも通じる部分がありませんか?」
と問いかける。
大所高所に立つ話より、こっちの方が大方の読者には大切だ。
「戦士の資格」の主人公も、最後は「義」に目覚めたし ・ ・ ・
「常に『義』を貫いていればケンカになります。でも、『これだけは譲れない』と言う部分は譲ってはいけないですよ」
と火坂氏。
よく学び、よく吸収する眞鍋さん。
そして、「仁愛」の塊のような眞鍋さん。
弱いものに注ぐ目はいつも優しく、温かい。
「私も『義』を大切に、今年も過ごしていきます」
そう、眞鍋さんにとっては
「私は」でも「今年は」でもなく、
どちらも「も」なのだ。
眞鍋さんは今年も眞鍋さんであり続ける。
ひと回りもふた回りも大きくなって。
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コメント
私の会社も今年はかなり支出を抑える必要があるようで、残業代がなくなり、金銭的なゆとりは制限されそうです。
でも、20代独身男子の私は、支出が少なく、金銭的には 身の回りではもっともゆとりがあるということになると思います。
そんな時こそ、給料に文句を言わず、残業が減る分の時間を自己投資(当面は英語かな?)に繋げ、会社の役に立ちたいなと思っています。
ところで、
記事の中では 今年の 漢字の話題になりましたが、
眞鍋さんの真(真実、真心)
女子ゴコロに書いてあった芸能界のお友達
優木さんの優(優秀、優しい)
そんな綺麗な漢字で締めくくる1年になってほしいです。
でも、今年の漢字が 「鍋」 だったら・・・・
投稿: firstheart | 2009年1月 6日 (火) 22:45
鍋は鍋でも湯豆腐ならいいんじゃないでしょうか?
「かをり」高いポン酢でいただけば、優しく、心温まる一年になるかもしれません。
投稿: KenNagara | 2009年1月 7日 (水) 05:34