眞鍋さんが生み出す歴史と文化
眞鍋さんがとても示唆に富んだイイ仕事をしている。
「ココだけで教えて」(『週刊ポスト』9.19/26)での五木寛之氏への インタビュー。
巨匠である。
ところが巨匠、眞鍋さんをよく見てくれている。
「メガスポ」も見てくれているとは嬉しい。
だったら、礼儀正しい脚長パンツスーツではなくて、
ミニワンピか短パンで脚線美を披露した方が良かったかも。
それは兎も角
氏は、時代は「うつ状態」にあると言う認識の元、それを「エネルギーが溜まった状態」であるとして、新たなカルチャーが生まれる可能性を展望しておられる。
経済学出身の歴史好きとしては、時代認識に若干、異はあるが、
傍観者的ではない未来志向の捉え方にはっとさせられる。
高度成長期は今の中国と似た低賃金加工貿易主義で、技術は外国から買っていた。
先進国にも似たものはあるけど、日本製の方が安いし、良く出来てる ・ ・ ・ と言う売り方。
ドルショックで高度成長の基盤が崩壊した後、知識集約型産業への移行を目指して投資を行った結果、今日の技術立国の基礎が生まれた。
ところが、中身のある投資をせず、右から左に金を動かして利ざやを稼ごうと言う非生産的な金儲け主義が現れた。
それがバブルだ。
問題は、弾けたはずのバブル志向から、未だに抜けきれないこと。
投機で儲けたって、それは他人の金を合法的に横取りしただけの事であって、社会、あるいは国としての財産はビタ一文増えやしない。
国民経済には何一つ寄与しないのだ。
だが、歴史を作り出そうと言う意志があれば、
技術もカルチャーも生まれてくる。
重要な事は、
横で見ている、良ければ乗っかる ・ ・ ・ ではなく、
自ら主体になる事だろう。
眞鍋さんは既にその主体だ。
眞鍋さんがブログ文学を作り上げなければ、
こんなに気軽に言いたい放題書けやしなかった。
ブログを公開すると言う事は、人前で歌ったり、絵を画くのと一緒。
いくらカッコつけても、上手い下手は見る人が見ればすぐ分かる。
下手に背伸びすると、
慣用句の使い方が間違っていたり、
語句の意味を取り違えていたりする。
それを恥ずかしいと思えば、つい筆も鈍る。
その障壁を取っ払ったのは眞鍋さんだ。
形式や格式にこだわらない、自由な個性の発露を
眞鍋さんが身を持って示し、勧めたからこそ、
日本語ブログは世界一の隆盛を見たのだ。
無論、思惑や打算が入り込んで、様々な副産物も生まれたけれど、
盛んにならなければ、そういった類のものも生まれてこない。
時代の表舞台に立っている眞鍋さん。
その眞鍋さんが「うつ」になる事は、これからも、多分、ない。
溜まっていたエネルギーは既に溢れ出している。
それに、
辛い思いは、もう十分にしたはずだから。
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コメント
最近の若い人が、資本主義に疑問を持ち始めて、利己主義の考え方を捨てて、何か社会の為に と思っているけれど、すぐにはできない というもどかしさを打開する 何かのきっかけを眞鍋さんに期待するのも絵空事ではないのかもしれませんね。 ところで星村麻衣さんのひかり という曲をきいたのですが、感動と共にこのブログの内容が歌詞とシンクロしたのでぜひ聞いてみてください。
投稿: firstheart | 2008年9月 9日 (火) 08:48
政治的民主主義は多数派主義のはずなのに、経済的新自由主義は少数派(勝ち組)優先。政治家にまで「格差はいい事だ」と勝ち組寄りになられたら、疑問を持つのは当たり前かもしれません。
新自由主義の本家、アメリカはおかげで大変な事になってますが。
残念ながら、JPOPは平原綾香さん専門で、後はさっぱり・・・クラシック派なもんで。
投稿: KenNagara | 2008年9月10日 (水) 13:49
私も今回の対談はずいぶん読み込みましたが
「下手に背伸びをしない」というのは当を得ていますね。
投稿: みなみ | 2008年9月10日 (水) 21:53
眞鍋さんの影響力は「ココだけ」なんてレベルじゃないと感じます。私も日々、学んでいます。
投稿: KenNagara | 2008年9月11日 (木) 00:48