Jupiter~平原綾香ベスト
買ったきっかけ:
価値が高いものはやはりオーディオで聞きたい。
感想:
平原綾香はカタカナ語ではなく音楽家、あるいは芸術家と呼ぶ方がふさわしい。細部の緻密さとドラマティックな構成力はその証。そして、真摯で誠実な歌声はけれんみがなく、あふれんばかりの情感に満ちている。自己顕示の為でなく、ひたすら音楽に奉仕するその姿を「祈り」と称した人がいるが ・ ・ ・ それは正しい。
例えばJupiter。POPSには珍しい変奏曲だが、提示部における深々とした歌い出しが強烈な印象を与えたことは記憶に新しい。まさに「祈り」だ!続くヴァリエーションズでは、ジャズシンガーとしての片鱗も見せる。驚くのは、この人が緊密な構成力と奔放な即興性を併せ持ち、完璧な一体感を伴って表出できる事だ。それは、冒頭からただならぬ緊張感が張り詰めるBLESSINGで、さらにダイナミックに展開される。
レスピーギのシチリアーナはJUPITERに続くクラシックからのアレンジ。といっても堅苦しいものではなく、たゆとうような詩情が美しい。そして、Re:PEPPERでは、一転してエネルギッシュなジャズシンガーとしての力を爆発させる。彼女のこうした側面はあまり知られておらず、必聴。
それにしても ・ ・ ・ ジャズ、クラシック、POPSの三股をかけながら、その全てを「平原綾香の音楽」としてまとめ上げてしまう高度な音楽性と豊かさには ・ ・ ・ 脱帽!!
おすすめポイント:
本当の平原綾香はアルバムでなければ分からない。手を休めてじっと耳を傾ければ、心に深い余韻を残すこと請け合い。
Jupiter~平原綾香ベスト アーティスト:平原綾香 | |
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